IIDXにおけるMAX 300のbpm推移の謎を解明すべく我々はアマゾンの奥地へと向かった


別にタイトルからしてアマゾンの奥地に行くつもりはないです。

ここ近年のIIDXはHSが柔軟に扱えるようになってから速いbpmの楽曲がちょくちょく出たり、
今までbpmを半分にされていたm1dy氏の楽曲が遂にONIGOROSHIで400bpmそのままされたり、
収録された時点でなにかと異質な存在だったDUE TOMORROWの復活など、何かと速い曲も出始めてきました。

速い曲の中で定期的に話題になるのがIIDX版の「MAX 300」(以下MAX300)。
この楽曲はDDRからの移植曲で、7th styleからEXTRAステージ専用楽曲制度が復活してからの初のエキストラ楽曲になります。
BPMは曲名の通り300bpmがメインとなっており、IIDXではDDRと同様に史上初の300bpmの楽曲でした。

IIDXがtricoroになってこのMAX300が問題視されはじめ、Rootageではハイスピードの仕様変更から別の意味で危険な曲として扱われています。
何か問題か…と言われるとこの楽曲のBPMの構成に集約されます。

MAX300のbpm推移は50-300-(減速して)12-300という、いわゆるソフラン構成になっております。
この推移だけで見るとそのヤバさは十分伝わってくるかと思われますが、そもそも12-300というbpm推移自体が調整困難な楽曲であるのです。
と言っても50bpmと12bpmはほぼ一時的なもので、楽曲自体は300bpmで展開します。

ソフランという言葉の元凶になったSOFT LANDING ON THE BODYは159bpmから始まり唐突に318bpmになった後、79bpmに落ちて再び159bpmに戻ります。
これが現在のIIDXにおけるソフランというギミックの誕生です。

このソフランギミックは後のIIDXにおいて様々な楽曲で採用されているのですが、今までのIIDXにおいてMAX300だけはソフランギミックが特異な存在であり、かつ作品を重ねるにつれ凶悪な存在になり果てている珍しい楽曲です。

MAX300はIIDXのシリーズにおいてSOFT LANDING ON THE BODY以来の300bpm台を記録した楽曲でその300bpmがメインbpmであるという、当時としては珍しい楽曲でありかつエキストラ楽曲限定という存在で当時はかなり話題になりました。
ただでさえ速い楽曲が一度も削除されることなかったのに関わらず、今更になって問題視されているのは前途のbpm構成にあります。

MAX300は最初で触れた通り50bpmから始まります。通常bpmが300bpmに対しての50bpmが既に異常な存在点なのですが、更なる問題点が存在します。
この50bpm地帯はそもそも演奏せず、かつその演奏しない最初の数秒だけが50bpm。これが現行のIIDXにおいて危険視されている部分です。

そもそもなぜこの意味の無い50bpmが存在しているか……と言われるとこれまた謎の要素で、7th初登場時のギミックが更に謎を呼ぶことになります。
それはこの7thstyleでのプレー動画に集約されます。

YouTube Preview Image

確かに序盤の流れは50bpmです、しかしbpm表記は300bpmのまま。
つまり初登場の7thstyleは「内部では50bpmであっても楽曲自体は300bpm」というギミックが仕組まれていたのです。
一瞬だけ止まる12bpm部分はきっちりとbpmを推移して減速します。

あるバージョンのタイミングでこの300bpm疑似補正がなくなります。
いつのバージョンからは覚えて無いのですが、すくなくとも11作品目である10thstyleの時点で「MAX300は50bpmから始まる」というネタばらしは既に行われていたことになります。

※ キャプチャ画像はWGCで稼働していたAC版10th style。

個人的な推測ですが、恐らくこの50bpmバレは7thstyleから基板が変更された9thstyleで既にそのように修正されていたと思われます。

HSは仕様変更(7thstyle)当時、HSはHS1~3(x2.0,x2.5,x3.0)固定で変更できない仕様でした。当然、HS2以上を選んだら爆速になります。
しかしこの楽曲はDDRの移植曲で、既にbpm300という事はわかっていたので特に問題視されませんでした。
というのも「一番速いbpmに合わせてHSを調整すればなんとかなる」という当時の考え方があったからです。

この偽装問題の後影響が露骨になったのはtricoroからです。
tricoroはサドプラ無しでの緑数値とフローティングハイスピード(FHS)の導入によりプレイヤー側の視認性がより便利なものなりました。
しかしこの便利さが逆効果になってしまったのがMAX300です。

前途の通りMAX300は50bpmから始まり、数秒後に300bpmになります。最初の緑数値を信用しFHSを調整してしまうとその時点で大体の人は超絶した加速に追いつけなくなります。
50→300なので単純計算で6倍。この仕様をわかっていないユーザーは最初の演奏自体で速すぎてあたふたすることは間違い無く、かつHARD以上のゲージ補正を行った人はほぼ確実に死にます。

27作品目のRootageでは「HSが譜面のスクロール速度から10段階に固定され、bpmに合わせて自動調整される」という機能が入りました。
これがMAX300において良い方向に改善される……と思わなかった方は大当たりです。この機能はFHS以上の極悪仕様になってしまったのです。
この自動調整HS「bpmに合わせて自動調整される」のは開始時のbpmに合わせて自動調整されます。ただし、自動調整されるのは”開始時”だけです
チュウニやギタフリのようなbpmに合わせてbpmが自動調整される完全固定式ではなく、開始時に自動的に調整されたHSに合わせて曲の途中でbpmが加速しようが減速しようが自動調整されない仕様になります。
つまりMAX300を選んだ場合、FHSの問題点と同様に「自動調整されたHSから6倍速加速する」という根本的な極悪仕様の解決に至るどころか更に悪化しているわけです。
これが現行のHSでMAX300が危険な曲と扱われている主な理由です。

現行のRootageのHSの唯一の救いは「曲中にHSを変更した場合、bpmに合わせて自動調整される」という仕様があるため、一応MAX300においてはbpmが変わった瞬間にHSを調整するすることで回避はできます。
回避はできますが結局の所加速した瞬間に即座にHSを調整する力量が必要になってくるため、FHSで緑数字が6倍速する予想も兼ねて調整した方が遙かに楽です。

50bpmの謎は未だに解明されていないままですが、当時のDDRにおいては「演奏しない箇所かつ一瞬だけbpmが推移する曲を敢えて隠していた」というギミックを取り入れ始めていたので、憶測ですがそのギミックをIIDXに取り入れていたのかもしれません。例えばThe Legend of MAXのbpm表記は83-333ですが、曲中に一瞬だけ666bpmになる箇所があります。ですがこのbpm推移は初収録(DDR EXTREME)時点で一切表示されていませんでした。それどころか現行のDDRA20でも表記されていません。

この現行HS仕様をそのまま通す場合、それこそライトユーザー観点で言うなら完全固定式にするべきなのではと素直に思いました。
MAX300のbpmを最初から300bpmにすればいいのでは?とも思いましたがそもそもこういった危険曲は他にも序盤が100bpmから始まり400bpmまで加速するFascination MAXXも対象になるわけです。

完全固定させないならそれこそbpmの平均値(正確に言うと曲中において一番演奏する時間が長いbpm)をベースに調整するのが理想だと思っていたんですが、現実は色々と厳しい。